経済産業省 九州経済産業局が、MaaSの普及および産業振興を図ることを目的に、福岡県東峰村(とうほうむら)を対象としておこなった調査事業の結果を公開しました。
同村は、少子高齢化に伴い地域の運輸・観光事業者等の事業継続が厳しく、単独で次世代モビリティ事業の創出まで辿り着けない、九州に多く存在する中山間地域の一つ。また、近年の相次ぐ災害による交通インフラの被災や、コロナ禍における移動自粛に伴い、事業継続が厳しくなっている地域事業者もあり、地域モビリティを再構築し、効果的・効率的に運営を図ることが地域経済活性化の課題となっています。
そのため、中山間地域では、地域モビリティを支える人材の確保や採算性の改善が課題となっており、モビリティサービスを維持するために「地域のプレイヤーを育成する」、「サービスの採算性向上に取り組む」ことの重要度が高まっています。
そこで本事業は、中山間地域に位置し、地域モビリティの維持・発展に高い危機意識を持つ同村をフィールドとし、事業可能性調査を実施することで九州の中山間地域の実情を広く把握。地域での MaaS の普及及び産業振興を目指すこと、「スマートモビリティチャレンジ地域シンポジウム」を開催することで東峰村と同様の課題を抱える他の地域へ横展開を図ること、の2つを目的として、域内外の関係者へヒアリング調査等を実施し地域の課題やニーズを把握するとともに、「中長期的な人材育成」や「マーケティング手法を活用したサービス開発」等による MaaS の普及を通じて地域経済活性化を図っていくことを目指す MaaS 戦略を策定がおこなわれました。
調査事業等で得られた情報を九州の他の地域にも還元し、今後の九州域内の中山間地域における持続可能なモビリティサービスの展開やモビリティを活用した産業振興を目指したいとしています。
詳細:経済産業省 九州経済産業局「「令和3年度九州地域における地域産業活性化に向けた次世代モビリティ調査事業」の結果を公表します」